
在仏中、パリのギャラリーやサロンにてコンサートを開催。
フランスMusicAlp夏期国際音楽アカデミーに参加し、選抜コンサートに出演。
在仏中ピアノをBruno Rigutto、Jean-Baptiste Fonluptの各氏に、室内楽をPaul Montag、Michel Moraguesの各氏に、歌曲伴奏をAlissa Zoubritski氏に師事。
-まず簡単な自己紹介ということで、現在までの略歴を教えてください。留学する前までの音楽の経験は? 何歳からなさっていましたか?
小学校1年生の時にピアノを始めました。東京学芸大学初等教育教員養成課程音楽選修卒業後、パリに留学し、エコールノルマル音楽院、リュエイル・マルメゾン地方音楽院にてピアノや室内楽、伴奏法を3年間学びました。
-留学したきっかけを教えてください。
大学3年生の時にフランスへ一人旅をしたことがきっかけです。様々な人々と出会い、芸術にたくさん触れることができ、こんな環境で音楽を学べたらどんなに素敵だろうと強く感じるようになりました。
-どうやって現在の学校を選びましたか?現在の学校に決まるまでのいきさつを教えてください。また。決め手になった点はなんでしょうか?
通っていた日本の大学では、音楽の進路に進む人はほとんどいなくて、留学に関して情報ゼロからのスタートでしたが、昔習っていたピアノの先生のお弟子さんのご紹介で、エコールノルマル音楽院をお勧めしていただきました。フランス語の規定や年齢制限がなく、自分に合ったレベルの課程に入ることができるので、良いなと思いました。
その後、音楽研究資格(DEM)を取得したいと思うようになり、ノルマル時代の先生のご紹介で1年後にリュエイル・マルメゾン地方音楽院を受験しました。
-どのような試験・出願書類が必要でしたか?何か書き方のコツはあるのでしょうか? また、試験の思い出、苦労話などありましたら、教えてください。
エコールノルマル音楽院は日本にいたときに、オーディション用のビデオ、志望動機やこれまでの経歴、大学卒業証明書などを学校にメールで直接提出しました。
その後、現地で実技試験を受け、自分に合ったクラスや先生をご紹介していただきました。現地に試験を受けに行くまで先生が決まっていなかったのでとても不安だったことを覚えています。
リュエイル・マルメゾン地方音楽院は、ネットで願書を出したのですが返事がなく不安だったので直接学校に提出しに行きました。その後、実技試験が学校でありました。
-手続きで苦労した点はなにかありますか?
お部屋探しにとても苦労しました。知り合いの紹介で日本にいたときから住む家は決まっていたのですが実際に住んでみたら、ピアノの音で隣人から苦情が来てしまい、退去の際に裁判する一歩手前まで大家さんと揉めてしまったので留学して一か月はとても精神的に辛かったです。
-留学準備はどのくらい前から始めましたか?
コロナ渦で渡航できるか分からない状況だったので大学4年生になったころに色々と動き出しました。
-学費はどう捻出しましたか?

すべて両親から支援していただきました。
-語学は日本でどのくらい勉強しましたか?現地でも語学学校に行った方がいいでしょうか?
大学の選択授業で半年ほど勉強しましたが、ほとんど忘れてしまっていたので現地の語学学校やプライベートレッスンを受けながらフランス語を学びました。
-学校はどんな雰囲気ですか?その学校ならではの特徴は何かありますか?
エコールノルマル音楽院は、シャンデリアがあるような歴史ある建物で、とても美しかったです。学校にあるサルコルトーというホールは著名な音楽家たちもコンサートをするようなホールで、修了試験はそのホールで開催されるのでとても良い経験になりました。
リュエイル・マルメゾン地方音楽院は、地域の音楽院なので小さいお子さんから、演奏技術を磨きたい人まで様々でコンサートの機会がたくさんありました。
-日本人はどのくらいいますか?
エコールノルマル音楽院は、留学生が多いので日本人はたくさんいました。
リュエイル・マルメゾン地方音楽院は、全楽器含めて日本人は5人くらいでした。
-日本と留学先で大きく違う点を教えてください
日本の大学では、カリキュラムがしっかりと組まれていて授業時間も細かく決まっていましたが、フランスの音楽院では直接先生にコンタクトを取ってレッスンを選択したり、時間を決めたりするのでコミュニケーションが必須だと思いました。
-学校の授業はどのように進められますか?日本でしっかりやっておいたほうがいい勉強などありましたら、教えてください。
エコールノルマル音楽院は、ピアノレッスンの他、室内楽、初見のレッスンがありました。
リュエイル・マルメゾン地方音楽院は、私が在籍していた課程ではピアノレッスンに加えて、室内楽、音楽理論、アナリーゼ、初見、合唱、歌曲伴奏の授業がありました。レッスンはすべてフランス語なので語学の勉強はしっかりしたほうが良いと思います。
-先生はどうやって探しましたか?
エコールノルマル音楽院は、入学試験後、音楽院学事顧問の先生からブルーノ・リグット先生を紹介していただき、リュエイル・マルメゾン地方音楽院はリグット先生からお弟子さんであるジャン・バティスト・フォンルプト先生をご紹介いただきました。
-学外でのセッション、コンサートなどは行われますか?

学校の近くの教会や、美術館、音楽ホールで定期的に行われていました。
また学校とは別に、友人と画廊で演奏のアルバイトをしたり、小さなスタジオを借りて自主企画のコンサートをしたりしました。
-1日の大体のスケジュールを教えてください
授業がある日は、時間に合わせて学校に行き、授業前後に練習をし、夜は飲食店でアルバイトをしていました。
-現地の音楽業界へのツテはできますか?
フランスは、先生や友人の紹介で仕事が決まることが多いので、人とのつながりをとても大切にした方が良いと思います。
-周囲の人の学習態度に関しては、日本とどう違いますか?例えばどのような点が違うと思いますか?
年齢も様々ですが、上下関係なく対等に会話ができると思います。先生に意見を積極的に言うなど、日本ではなかなか見られない光景でした。
-授業以外はどのように過ごされていますか?
授業がない日は、練習のあと友人と遊びに出かけたり、パーティーをしたりしていました。また週末は国語の家庭教師をしていました。
美術館や蚤の市が大好きなので、時間に余裕があるときに一人で息抜きに出かけたりもしていました。
-日本人以外の人たちと付き合うコツはありますか?
その人に興味を持って自分から話しかけることだと思います。
-宿泊先はどのようにみつけましたか?
知り合いの紹介でピアノが弾ける物件に住んでいました。
-生活費はだいたい1か月いくらぐらいかかりますか?

家賃を含めて15万~20万円ほどです。
-留学してよかったと思える瞬間は?
音楽仲間や音楽以外の友達もたくさんできたこと、素晴らしいコンサートに何度も足を運べたことです。
-留学して自分が変わった、成長したというところはありますか?例えばどんなことですか?
留学前より、演奏が変わった、成長したと周りの方に言っていただけることが多くなりました。また、精神面もかなり鍛えられたので何事にもめげないようになりました。
-今後はどのような進路を考えていますか?
演奏活動を続けながら、アンドビジョンで音楽留学カウンセラーとして働いています!
-これから留学する人が、心しておかなければいけない点、アドバイスしておきたいことがありましたら、お願いします。
音楽大学進学予定の人はもちろん、趣味で続けている方、お子様からシニアの方まで、是非海外で素晴らしい音楽体験をしていただきたいと思っています!そのために語学の勉強や事前に先生のレッスンを受けるなど準備を万全にして、楽しい留学生活を送っていただきたいと思います。