平田千明さん/王立ノーザン音楽大学

平田千明さん/王立ノーザン音楽大学
洗足学園音楽大学を卒業後、イギリスの王立ノーザン音楽大学へ進学しました。
トランペットをジョン・ミラー氏、コルネットをリチャード・マーシャル氏に師事しました。
現地では、Brighouse and Rastrick Bandに入団し、その他にもBlack Dyke Band、Grimethorpe Colliery Band等で演奏しました。
-まず簡単な自己紹介ということで、現在までの略歴を教えてください。留学する前までの音楽の経験は? 何歳からなさっていましたか?

平田さん:地元岡山県の音楽科のある高校を卒業し、洗足学園音楽大学に進学しました。トランペットは中学校の部活動をきっかけに始め、コルネットは大学生になってから始めました。
-留学したきっかけを教えてください。

平田さん:大学で「ブリティッシュ・ブラス」という授業があり、そこで初めて英国式金管バンド(ブラスバンド)に出会い、夢中になりました!
-どうやって現在の学校を選びましたか?現在の学校に決まるまでのいきさつを教えてください。また。決め手になった点はなんでしょうか?

平田さん:私はブラスバンドを勉強したかったのでイギリスのロンドンではなく盛んな地域であるマンチェスター行きを希望していました。洗足学園のブリティッシュ・ブラスの授業で毎回指揮を振って下さっていたイギリス人の先生に紹介され、調べてみたところ前から習いたい先生も在籍していたので王立ノーザン音楽大学に決めました。
-どのような試験・出願書類が必要でしたか?何か書き方のコツはあるのでしょうか?また、試験の思い出、苦労話などありましたら、教えてください。

平田さん:私の学校は留学生がとても多い学校なので演奏はビデオ審査でも大丈夫でした。その他にもA4用紙2,3枚程度の論文も提出しました。なんといっても苦労したのは語学のIELTS試験です。何度か試験を受け、ようやく目標スコアに到達したときは嬉しかったです。
-手続きで苦労した点はなにかありますか?

平田さん:やはりビザ獲得のための書類集めです。銀行口座の証明や戸籍謄本などを翻訳もしてもらわないといけなく、思ったよりも時間がかかったので余裕を持って準備しておいて本当によかったなと思いました。
-留学準備はどのくらい前から始めましたか?
 
平田さん:大学を卒業して1年間アルバイトをしながら準備をしていました。
-学費はどう捻出しましたか?
 
平田さん:両親にお願いしたのと、合格時に大学から奨学金が出ました。
-語学は日本でどのくらい勉強しましたか?現地でも語学学校に行った方がいいでしょうか?
 
平田さん:イギリス英語専門の教室に通ったり、インターネットのSkypeレッスンも利用しました。私は現地で大学が開催している語学スクールに通いましたが、日本で勉強していたのと現地で話すのは全く違ったので不安があればぜひ語学学校にも行った方がより理解度が増すと思います。
-学校はどんな雰囲気ですか?その学校ならではの特徴は何かありますか?
 
平田さん:国際色豊かな学校です。いろいろな国の友達が出来ました。学校自体が1つのビルになっているので、コンサートホールで演奏会が終わった後、すぐ隣にある食堂兼バーでみんなでおしゃべりをしたりしました。
-日本人はどのくらいいますか?

平田さん:5.6人程度です。たまに現地の日本人とのハーフの子にも出会います。日本語が喋れるかは個人差が大きくあります。
-日本と留学先で大きく違う点を教えてください

平田さん:日本よりも全員が対等に会話できます。また、各科でのクラスが頻繁に開かれており、誰かの前で演奏する機会がとても多かったです。
-学校の授業はどのように進められますか?日本でしっかりやっておいたほうがいい勉強などありましたら、教えてください。

平田さん:基本的に教室に集まって先生の講義を聞いたり個人レッスンがあったりと日本とあまり変わらないと思います。ただ、各国で音楽用語、記号の言い方が違うので、これは勉強していった方が良いと思います。
-先生はどうやって探しましたか?

 平田さん:コルネットで世界的に有名な先生をもともと知っていたので、その方にお願いしました。
-日ごろ練習はどのようにしていますか?

平田さん:ネット予約制の学校の練習室と寮の自室で練習していました。
-学外でのセッション、コンサートなどは行われますか?

平田さん:学校の授業関係でもたまに学外コンサートなどがありますが、私は現地のバンドに所属していたので学外での活動がとても濃密でした。イギリスはブラスバンド発祥の地でコンテストや演奏会もいたるところで開催されています。基本的に平日の月木の夜に友達の車に何人かで乗り合わせてリハーサルに行き、休日のどちらかには必ずコンサートがありました。実際に現地のたくさんのトップバンドで演奏させてもらう機会も何度もあり、とてもいい経験になりました。
-1日の大体のスケジュールを教えてください

平田さん:午前中の講義の前に朝食、事務作業などをすませて講義に行っていました。午後はレッスン、合奏授業があり、バンドのリハーサル日なら18時頃に集合して車でリハーサル室に行っていました。リハーサル日は基本23時がえりだったので、毎日充実していました。
-現地の音楽業界へのツテはできますか?

平田さん:基本的に最初は習っている先生のご紹介が多いと思います。そこから出会った演奏者からまた演奏の機会を頂いたり、学校開催のマスタークラスにて他の国の先生とも知り合うことが出来ると思います。
-周囲の人の学習態度に関しては、日本とどう違いますか?例えばどのような点が違うと思いますか?

平田さん:先輩後輩が無いからこそ、学生同士で多くの情報が共有できると思います。また、先生から質問された時に、自分の意見をはっきり言える生徒が多いなという印象を受けました。
-授業以外はどのように過ごされていますか?

平田さん:次のリハーサル、コンサートに向けて練習したり、気分転換をしたいときは街の中心部に行ってショッピングをしたりしていました。また、マンチェスターは日本食レストランもあまりないので、現地のスーパーで手に入れられる食材でいかに日本食に近づけられるか研究したりしていました。
-日本人以外の人たちと付き合うコツはありますか?

平田さん:とにかくたくさん話しかける事だと思います。共通の話題を見つけたときはけっこう盛り上がります!
-宿泊先はどのようにみつけましたか?

平田さん:学校が紹介している演奏可能な学生寮に住んでいました。
- 生活費はだいたい1か月いくらぐらいかかりますか?

平田さん:家賃(9万円程)を入れると約14万円程です。
-留学してよかったと思える瞬間は?

平田さん:ブラスバンドではバンドの在籍している地域でのチャリティーコンサートがよくあるのですが、終演後に感想を言いに来てくれる事が多く、とてもうれしかったです。
-留学して自分が変わった、成長したというところはありますか?例えばどんなことですか?

平田さん:音楽的な成長もそうですが、内面的にも自分の意見がしっかり言えるようになった、人見知りしなくなったなどです。
-今後はどのような進路を考えていますか?

平田さん:現在、アンドビジョンでカウンセラーとして働いています!
-これから留学する人が、心しておかなければいけない点、アドバイスしておきたいことがありましたら、お願いします。

平田さん:留学する事で確実に音楽に対する考え方、人生観が変わると思います。やはり語学!しっかり準備していくほど濃密な時間が過ごせます。頑張ってください!
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