ロンドンでニール・イメルマン、プラハでミラン・ランゲル各氏のレッスンを受講。
-まず初めに簡単な自己紹介と、現在までの略歴を教えていただけますか。
K様:5歳からピアノを始め、小学校5年からフルートもやっていて、中学校から和声と作曲を勉強しました。その後、国立音大の付属高校の作曲科に入学しました。そこで副科のチェロとか、声楽を始め、在校中にピアノ科に転科しています。
-すごいですね、本当にいろんなジャンルを勉強していらっしゃるんですね。
K様:そうですね。自然といろんなものに挑戦する機会に恵まれました。
-もともとチャレンジが好きなタイプでしたか?
K様:というよりも、逆にこれが専門というふうに極めすぎなかったのが、かえっていろいろ選択肢が増えた結果かなと思います。
-今回講習会に参加されるきっかけになった事は何ですか。
K様:大学在学中から地域の子どもたちにピアノをずっと教えて現在に至るのですが、合唱団のお仕事、ピアニストのお仕事も、約25年やっていたので、なかなか自分のピアノだけに集中する時間がとれなくなってきていました。
これまでに3回程アンドビジョンさんにお世話になりましたけども、環境を変えて、自分の勉強に集中する時間を確保するという目的で。で、たまたま今回年末年始ということだったので、お仕事にも影響なく、家族にもそんなに迷惑をかけず、家族も年末年始の休暇中だったので、思い切って行かせてもらった、という感じです。環境を変えて、自分の勉強の時間を確保したかったから、ですね。
-講習会自体、日程としては年末年始に組まれていたと思いますが、その講習会はどういうスケジュールでしたか。
K様:大体レッスンは1日に1回入っていて、レッスンがないのが大晦日、元旦ですね。レッスンがある日も2、3時間ぐらい練習室を借りて自分の練習をしていました。
-トイフルマイヤー先生はどんな方でしたか。
K様:レッスンの最初にいきなりジョークを飛ばして私をリラックスさせて下さいました。それでいてとても紳士でいらして、親切で素敵な先生でした。以前アンドビジョンさんのトイフルマイヤー先生の国内マスタークラスの聴講に行ったのですが、トイフルマイヤー先生のレッスンはとても的確で、わかりやすくて。今回のレッスンでも、先生は非常にご年配でいらっしゃるけど、学ぶ姿勢を失わない情熱みたいなものはすごく感じました。
-レッスンは何語でしたか?
K様:ドイツ語1本ですね。時々、右手、左手、という日本語だったり、ゆっくり、というのもよくおっしゃっていました。
-講習会の最後には終了演奏会だったりとか終了セレモニーのようなものはありましたか。
K様:ありました。大晦日の日にクラスコンサートがあって、ほぼ最終日というか、講習最終日が修了コンサートでしたね。で、終了コンサートのあとに、皆さんでレストランに移動して、打ち上げ、懇親会みたいなものはありました。
-初めて講習会に参加して、ほかにも受講生の方が一緒にいらっしゃる状況に対する不安は特になかったですか。
K様:なかったですね。ただ、ピアノの方がたくさん参加されて、例えば準備する曲の規模で、こんなのでいいのかしら、って、参加するのはどうかな、みたいな、そういう心配はあったんですけど、今回たまたまピアノは私1人だったので、先生自身も楽しそうに、というとちょっと失礼ですけど、そういう気持ちでレッスンしてくださいましたし。で、私もともと声楽とかも大好きなので、声楽の方とか、あとフルートもいましたし、いろんな参加者がいて、すごく楽しかったです。クラスコンサート聞いているのもすごく楽しかったです。
-他の参加者の方同士でコミュニケーションとったりもできましたか。
K様:そうですね。皆さん自然と仲良く、なんとなく一緒にいたり、という感じになりましたね。
-楽しい雰囲気で、ピリピリすぎない感じだったんですね。
K様:全然それはなかったです。むしろ皆さん本当に楽しんで、レッスンも楽しい、いろいろ言われてもそれも楽しい、という感じでした。皆さん前向きで、いい雰囲気でした。
-講習会ということでレッスンと練習の時間はあったと思いますが、レッスン、講習会以外の時間はどのように過ごされましたか。
K様:私は今回ウィーン3回目で、なんとなく町の感じもわかっていたので、普通に町歩きも時間があればしました。それからお買い物も、こういうところに入ったらこういうのがあるというのも大体わかっていたので、小さいお買い物ですけど、スーパーだったり、ドラッグストアだったりで、ちょっとした日用品を買いに行きました。で、カフェとかも入りましたし、それと、ホテルザッハのザッハトルテも食べることができました。
-今回のウィーンでの年越しはどのように過ごされましたか。
K様:オプショナルはつけなかったので、自分で大晦日のときにアン・デア・ウィーン劇場のオペラに行きました。アン・デア・ウィーン劇場は前から行きたいと思っていて。
-すごく貴重な体験ですね。
K様:そうですね。それで、もう1人行きたいという子がいたので一緒に行って、それで終わったあと、年越しカウントダウンを国立歌劇場の前で。花火も見たりして、年越しを迎えました。
-現地のお店情報なども、結構大事だったりしますよね。
K様:あと、大晦日の日程的に、お店が思ったより早くしまっちゃって。食料買いそびれたとか、水買ってないという方が周りにいましたね。
ー年越しでどんなふうに町は盛り上がっていましたか、治安面の不安もあったりしましたか。
K様:大晦日は、ウィーンの町の人もそうでしょうし、それから観光客がどんどん中心部に集まっている感じがありました。車も多かったですし、みんなでお祝いするために中心部に集まっている感じでした。元旦は、どちらかというとおそらくツーリストの方が、なんとなくガイドブックを片手に街歩きをして写真を撮ったり、という感じでした。例えば地下鉄とかは、元旦はかなり空いていました。ただ、もともと講習期間中、地下鉄も混んでいるイメージはなかったので、かなりの確率で、空いている席見つけて、サッと座れるぐらいな、そんな感じでした。治安面もそんなにものすごく近づいてくるとか、振り向くと人の気配がするとか、そういうことは全くなかったので、治安としては不安はなかったです。普通にしていれば問題ないという感じですね。
-年末年始のウィーンってかなり寒かったんじゃないかなと思いますが、どれぐらいの防寒がよかったですか。
K様:寒いと思って準備していったこともあるので、例えば、小物は絶対あったほうがいいと思います。ヨーロッパの方って小雨や雪が降っても、そんなに皆さん傘はささないですから。例えば、ダウンだったら、東京ではフードをつけてなくても、フードはつけていったほうが便利ですし。それから、傘はほとんど使わなくて、1日ぐらいしか使わなかったです。結構降ってくるときはあったんですけど、ニット帽だったり、年が明けてからは雪が積もりましたので、雨とかに濡れても大丈夫な防寒用の靴みたいな、ショートブーツみたいなものはあったほうが便利だと思います。向こうで調達しようと思っていても、年末年始お店閉まっていたり、あとお買い物に苦労されると、ほかのほうに神経使っちゃって、ってなるので、ちょっと多いぐらいの準備してちょうどいいと思います。室内はとても暖かったです。
-ウィーンももう3回目でいらっしゃるので慣れていらっしゃる部分も多いかと思いますが、やっぱりここは日本とは違うなの思った点はありますか。
K様:海外はどこもそうかもしれませんけど、自分から動かないと。向こうから声はかけてくれることはあるかもしれないんですよね。例えばホテルとかだと、フロントがあるところに自分が行っても、自分が何かを言わないと向こうの人は声をかけてこないので、自分から発信してこれはどうしたらいいですか?とか、こうしてほしいんだけど、って言わないと動いてくれないな、というのがありましたね。
-自分なりの海外でうまく楽しむコツみたいなものはありますか。
K様:お店とかホテルみたいなところ、カフェなんかもそうかもしれないですけど、日常的に使うようなところで、そんなに親切ではないということは自覚して行かないと。例えば、スーパー一つ入っても、レジでまごまごしちゃってへこんじゃうとか、そういう方もいるみたいなので、そういうことは逆に、知らない、慣れてないという気持ちで、気にせずにどんどんお店でお買い物に挑戦するというのは大事だと思いました。
-ウィーンで日本にはないお料理もあったかなと思うのですが一番おいしかった、逆に食べにくかった、というものはありますか。
K様:皆さん話題にしていたのは、シュニッツェルですね。食べた?とよく話しました。食べてなかったら、じゃあ注文しようか、という感じで。シュニッツェルもお肉の種類がいろいろあるそうなので、それはぜひどれがおいしいのか挑戦してもらいたいし、今、ウィーンはどれを食べてもおいしんじゃないかな、という印象ですよね。いろんな観光客の方来ていますし。どれもおいしくいただきましたので、どれもおすすめだと思います。
-今回の講習会に参加して、一番良かったと思うことは何ですか。
K様:今回、アンドビジョンさんに申し込んだのが1カ月前だったので、本当に準備期間がなくて、手持ちの小品をたくさん用意して行きました。1回目、2回目は割と大きなものでまとめるのが難しい曲を準備したんですが、今回はもともとサッと弾けるようなものをたくさん準備していきました。今回はこれからの自分のお仕事、子どもたちにピアノを教える上で大変役に立つような作品を用意して、トイフルマイヤー先生は、小さい方からプロの活躍するレベルの人たちもたくさん見てらっしゃる先生だったので、そういう小品なんかも的確にご指導頂けると思ったので。すぐにレッスンに役立つような、的確に、わかりやすく指導していただきました。自分のスキルアップももちろんあるんですけど、仕事に対しての自信になった、そういう講習会だったと思います。
-今後、ウィーンに留学したいという方がいらっしゃったとき、これはアドバイスしておきたい、と思うことはありますか。
K様:冷たいってこともないんですけど、親切ではない、ってことですよね。だからそういうこと一つ一つ、あまり気にせずに、それこそまだ渡航に慣れていない方は、慣れてないんだから、ちょっとそういうことに遭遇してしまった、ぐらいに思って、絶対にマイナスに思わないこと。日本でできていることから引き算していくと、へこんじゃったりするので、前向きにチャレンジしてほしいですね。
-お時間いただいてありがとうございました。