上西伶さん/ボーカル/バークリー音楽大学ソングライティング/アメリカ・ボストン


上西伶さんプロフィール
上西伶、16歳(高校2年生)です。3歳からピアノ、8歳から声楽を習い、幼い頃から音楽を聴いたり、自分で演奏したりするのが好きでした。中学の時、アメリカのポピュラー音楽を聴くようになり、「自分でこんな曲を作ってみたい」と思うようになりました。
-まず簡単な自己紹介ということで、今までの音楽歴を教えてください。

上西 上西伶です。最初に始めた楽器はピアノで、3歳の頃からです。小学校3年生くらいから声楽も始めました。
-だいぶお若い時からですね。

上西 当初は声楽家を目指していろいろ勉強していました。教会で歌ったり。
高校受験があったので、中学の時に一度音楽をすべてやめて勉強に専念していたのですが、その間にアメリカのポップミュージックを聞くようになりました。それにすごく刺激をうけて、いつかそういう音楽をつくってみたいなと思うようになりました。
高校に入ってからも、音楽に関わっていたいという思いでまた声楽を始めたのですが、自分の中でやっぱりポップスの方が合っているんじゃないかと思い始めて、声楽の先生とも相談し、「自分のやりたい道に進むべきだ」ということになって、声楽はやめて、ポップスの道に進むことを決めました。
-受験で一度やめた時に出会ったのですね。
今回はバークリーのソングライティングの講習会だったのですが、講習会は初めてですよね?
上西 そうです。
-海外は行かれたことはあったのですか?

上西 海外は旅行で。フランスとスイスです。
-ではアメリカもはじめてで?
上西 はい。
-はじめてで一人で?

上西 そうです。緊張しました(笑)
-バークリーの講習会を選んだ理由やきっかけはありますか?

上西 アメリカで、現代のポップスの作曲などを学べる大学をインターネットなどで検索していてバークリーを見つけました。そのバークリーのことを知るためにいろいろ調べていたら、アンドビジョンさんのサマープログラムというのをみつけて、それで選びました。
-なるほど。ソングライティングのコースだったというのが大きいですか?

上西 大きいです。
-その講習会についていろいろ聞いていきたいのですが、参加者は全体で何人くらいでしたか?

上西 けっこういました。200人くらいはいたと思います。
-世代としてはどんな方が多かったですか?

上西 やっぱり若い方が多くて、同じくらいの人でした。
-参加者の国籍は?

上西 アメリカ出身の方が多いのですが、フランスとかいろいろいました。
-日本人はいましたか?

上西 全然いませんでした。アジア系は少なかったです。
-スケジュールや授業はどんな感じでしたか?

上西 毎日、起きたらすぐに食堂にいってご飯を1時間くらいかけて食べて、9時くらいから授業が始まって11時くらいに終わります。その後また昼食のために食堂に戻って、12時半から2時半と、2時半から4時半くらいまでの授業があって、それで一通り授業が終わります。夜は7時からオープンマイクという、参加者がみんなの前で自分の作曲した曲を演奏するというものがありました。
-それに出られたのですよね? どうでしたか?

上西 ちょっと緊張したのですが上手くできて、みんな拍手をしてくれました。
-そうなんですね! それに出るのはいつ決まったのですか?

上西 オープンマイクが始まる前に名前を書く所があって、参加したい人は名前を書き、順番がまわってくるまで待つという感じです。
-では自ら出たいという感じで?

上西 そうですね。
-チャレンジだったのではないですか?

上西 チャレンジでした(笑)。
-それは何日目くらいに?

上西 3日目くらいでした。
-いい経験でしたね。

上西 そうですね。
-他にも同じ日に演奏されている人もいたのですか?

上西 そうです。
-他の人のも聞きつつ、ということですね。他の方の、現地の方達の演奏はいかがでしたか?

上西 やっぱりレベルもすごく高くて、声も大きくて(笑)。
-授業もみっちりあったのですね。

上西 はい。みっちりでした。
-授業は何人くらいだったのですか?

上西 まちまちです。ワークショップは8人くらいですが、ビジネスクラスはほぼ全員参加していました。
-先生はどんな方でしたか?

上西 音楽業界で成功された方で、ノウハウなどを知っている方が多かったです。結構年配の方が多かったですね。
-ソングライティングの実技の授業もあったのですよね?

上西 ありましたね。
-他に授業はどんなものがありましたか?

上西 僕が受けたのは、音楽業界のビジネスと、シンガーソングライターワークショップというものです。ワークショップは少人数で、一人ずつみんなの前で演奏をして、そのフィードバックをもらうものです。その他、作詞の授業やロジックというソフトの使い方の授業などがありました。
-結構実践的な授業が多いのですね。
その中で印象に残っている授業はありますか?
上西 英語が聞き取れない所が多くて内容を理解するのに苦労したのですが、英語じゃなくて音楽で自分も参加できたのがシンガーソングライターのワークショップでした。それがとてもためにもなったし、楽しかったです。
-自分で演奏してフィードバックをもらうのですよね。
どういうフィードバックをもらうのですか?
上西 あんまり辛口ではなくて(笑)。ここがいいとか、ここのメロディーをちょっと工夫した方がいいとか。
-結構具体的ですね。
反対にアドバイスする側にもなるのですよね。何か言ったりしたのですか?
上西 あんまり言えませんでした(笑)。なんて言ったらいいかわからず、、、
-全部英語ですものね。難しかったですか?

上西 難しいですね。
-同じ部屋の方とは結構話されたのですよね?

上西 はい。生活面では苦労しなかったです。
-授業となるとやっぱり違いますか?

上西 違いますね。用語も出てきますし、ちょっとは分かるのですが。。。
-そうですよね、音楽ビジネスの話になると私でもわからないと思います(笑)。
練習などはしたのですか?
上西 学生寮の地下に練習室がいくつかあったのでそこで。練習室はピアノがある部屋が3つか4つ、その他何もない部屋があってそこでギターなどを。
-そこはみんな自由に使えるのですか?

上西 はい。
-練習時間は、何時から何時までと決まっていたのですか?

上西 特になく自由でした。
-練習は結構しましたか?

上西 はい、しました。
-レッスン以外の時間はあまりなかったと思いますが、お友達とどこかに行ったり、何かしたりしましたか?

上西 最終日、修了式の後に、ルームメイトとその家族が、一緒にボストン美術館に連れていってくださいました。
-その方は現地の方ですか?

上西 そうです。アメリカ人でオハイオ州から家族でボストンに来ていて。学年も一緒でした。
-そうなんですね! では会話もはずんで?

上西 はい。
-そういう出会いはよかったですね。その方も将来的にはバークリーに入りたいとか?

上西 そうでもないみたいです(笑)。音楽が好きという感じでした。
-それ以外でもお友達はできましたか?

上西 はい。いろいろな授業を通してフィードバックなどをしている内に仲良くなりました。
-ではご飯なんかも一緒に?

上西 そういうことはありませんでした(笑)
-少し英語を勉強していった甲斐がありましたね。
今回行ったボストンの街の様子や治安はいかがでしたか?
上西 すごくのんびりした雰囲気でした。街並も綺麗で平和な感じでした。
-その前にニューヨークにも行かれていますが、比べていかがですか?

上西 全然違いますね(笑)。ニューヨークは大都会という感じで、車もいっぱいでいろんな人がいたのですが、ボストンは静かで、田舎の街という感じでした。
-全然違う街に行かれたのですね。
どっちが合っていると思われましたか?
上西 ニューヨークの方が好きですね。
-ニューヨークでは観光などはしましたか?

上西 一通り有名な所は行きました。タイムズスクエアや自由の女神をみる無料のツアーに行ったり、あとは公園にも行って似顔絵を書いてもらったり。
-一人で自由に動かれたのですか?

上西 いえ、友達が一緒にいました。
-ニューヨークで泊まったB&Bはいかがでしたか?

上西 すごくフレンドリーな方で、B&Bについた日に、一回ニューヨークに出てみようかと一緒に連れていってくださいました。夕食も一緒に食べていろいろ教えてくださって、すごくアットホームな感じでした。
-では特に困ったこともなく?

上西 そうですね。
-反対に学生寮の方はどうでしたか?

上西 特に困ったことはありませんでした。設備面ではシャワーが使えなかったり、水が出なかったりしたこともありましたが。あとは二段ベッドの上の段が少し怖かったです(笑)。
-なるほど(笑)。二人部屋ですか?

上西 そうです。
-学生寮からバークリーまでは歩いて移動されたのですか?

上西 はい。結構近かったです。
-ではボストンは基本歩いて移動ということですか?

上西 そうです。
-ご飯はバークリーの学食みたいな所で食べたのですよね。
お食事はどうでしたか?
上西 すごくおいしかったです。どうなんだろうなと思っていたのですが、普通においしかったです。
-基本はそこで食べたのですね。
ニューヨークではご自身でいろいろな所で食べたのですか?
上西 はい、そうです。
-今回海外の方と接してみて、うまくつきあうコツなどはありますか?

上西 日本人にないのが、最初に会って、目をみて挨拶ができないことですよね。あっちの人は最初から目をみて、古い知り合いのように接しているので、ちゃんと相手の目をみて挨拶をして、ガードみたいなものを作らないでオープンな感じにしているといいと思います。
-行っている間にできるようになりましたか?

上西 徐々に徐々に慣れました。最初はきつかったですが、ちょっと廊下ですれ違った知らない人でも、「ハイ!」という感じで。
-確かに日本ではしないですものね。

上西 挨拶できっかけをつくれると思います。
-留学中に困ったことはありましたか? 日本と違ったこととか、びっくりされたこととか。

上西 そんなに困らなかったのですが、大抵食べ物が大きくて食べきれないことがありました。ピザを頼んで食べきれなかったり(笑)。
それと注意した方がいいと思うのは、バークリーのショップみたいなものがあって、そこで教科書などを買えるのですが、5時くらいで閉まってしまうんです。なので早めに行かないと買えないということがありました。
-他のお店は普通にやっているのですか?

上西 はい、やっています。
-学校内のお店が早くに閉まってしまうのですね。

上西 はい。あとはお店に入って店員さんにお金を払う時に、まず目をみて挨拶しないと「あれ? 無愛想だな」と思われてしまうと感じたので、ちゃんと挨拶をした方がいいと思いました。
-そういう経験があったのですか?

上西 最初に。挨拶をしなかったので、無愛想に対応されてしまって。それからちゃんと挨拶をするようにしたら普通に対応してくれるようになりました。
-何事も最初が大事というこですね(笑)。
今回講習会に参加してよかったと思った瞬間はありますか?
上西 一番はオープンマイクです。自分の曲を誰にも聞かせたことがなくてちょっと不安だったのですが、やってみるとみんな歓声みたいなものをあげてくれて、ライブが終わった後も「よかったね」などと声をかけてくれて。それが自信にもつながったし、いい思い出です。
-日本では披露したことがなかったのですね。

上西 機会が全然なくて。
-初舞台がそこだったのですね。歌もつけてということですよね?

上西 はい、ピアノと歌で。歌詞も英語で。
-ご自身で詞もつけてということですよね。
その曲は事前に作っていったものですか?
上西 そうです。
-それはすごくいい経験をされたのですね。みたかったです!
今回留学をして、自分が変わったなとか、成長したなと思う所はありますか?
上西 いろんなことで分からないことがあると、少しパニックになってしまう時があったのですが、いろんな経験をして自分で自分のことをやらなければいけなくなった時に、自分で対応する力をつけられたと思います。あとは人と接する時に、オープンな感じになれたかなと思います。自立みたいなものがちょっとはできたかな、と。
-自信にあふれているように見えます。
もう次に一人で行っても大丈夫ですね?
上西 たぶん大丈夫だと思います(笑)。
-日本と違った点などはありますか?

上西 ノリノリな感じの人が多くて、エレベーターの中や街中でいきなり歌い始めちゃったり。それが全然違うなと感じました。でもそれが楽しくて、いい違いだなと。
あとは本当に自由で、規則みたいなものがなくて、これもいい違いだなと思いました。
あとは毎食毎食ピザかハンバーガーなのですが、それがすごくおいしくて。そういう食文化も楽しかったです(笑)
-今後留学する方にアドバイスはありますか?

上西 まず一通りの基本的な英語はできた方が苦労しないと思います。それと最初は失敗して落ち込むことが多いのですが、あきらめないでオープンになれるように努力し続けることが大事だと思います。
-今後の進路はどうですか?

上西 今回の留学でアメリカがどういう国か、そして楽しい国だなということがわかったので、また来年も留学したいと思っています。最終的にはアメリカの音楽大学に行けたらいいなと思っています。
-応援しています!ありがとうございました!
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